女優・遠野なぎこ。その名を聞けば、テレビで泣き叫び、怒りをあらわにする彼女の姿が思い浮かぶ人も多いだろう。けれど、その激しさの奥には、どうしようもないほどの「生きづらさ」と、それを抱えてなお懸命に生きるひとりの女性の魂がある。
遠野さんは、幼い頃から母親との確執に苦しんできた。精神的・肉体的な虐待を受けた日々は、「母に愛された記憶がない」という言葉に集約される。大人になってもその空洞は埋まることなく、彼女の自己肯定感を根底から揺さぶり続けた。
心の痛みは身体に現れる。彼女が10代で始めたという過食嘔吐は、まさに愛されなかった証を自らの内側に抱えきれず、外に出そうとする行為だった。満たされたいと望み、けれど罪悪感と絶望に苛まれて吐き出す・・・その繰り返しが、彼女の「食」と「心」の関係を歪ませた。
彼女のホロスコープには、月と海王星の重なりが見られる。これは感情の境界線が非常に曖昧になりやすく、特に「母」との関係において融合と混乱、依存と拒絶が起こりやすい配置だ。現実と理想の境が曖昧なまま、彼女は「いつか満たされる愛」を夢見て、傷つきながらも愛を求めて生きてきた。
月が位置する星座も、自由や理想を追い求める性質を持っており、「家庭」という現実に馴染みにくく、安定した関係性に息苦しさを感じやすい。そのため、彼女にとって「結婚」は安心を得る手段であると同時に、「閉じ込められる場」としても映る。その感覚はわたしも同じだから痛いほどわかる。彼女を見ていると、自分の中の影を感じてつい共鳴してしまう。
実際に、彼女は2009年に交際0日で結婚し72日で離婚。その後も再婚と破局を繰り返し、2023年には数日で破綻する超スピード離婚が報じられた。彼女にとって愛は、深く激しく求めるものだが、それが深まりすぎると苦しさへと転化してしまう。離婚をする事が【我慢が足りない】という概念のわたし達の年代の女性から見たら奔放さや身勝手さを感じるかもしれない。しかし、自分の人生だ。誰が何と言おうと、関係のない話である。勿論、生涯【たった1人の人と添い遂げる】のも素敵だけど、実際の生活はどうだろうか。幸せと言えるだろうか。子どもを代替品として自分の虚無感を埋める女性の方が多いのも事実である。
その背景には、太陽・水星・天王星が重なった配置・・・いわゆる「蠍座ステリウム」がある。これらは愛や存在そのものに対して「極端・執着・一体化・変容」を求める傾向をもたらす。相手と一つになりたい。でも、自由でいたい。この矛盾が、彼女の人間関係や愛情表現を常に揺さぶってきたのだろう。
さらに金星には、土星と冥王星の影が交差する。これは「愛され方に条件がつく」「魅力や女性性を素直に肯定できない」といった葛藤を表す。土星だけでも抑圧されがちなのに、冥王星まで(例えセクスタイルでも)こうした配置は、自己否定感や過食、恋愛依存といった行動パターンに表れやすく、彼女の人生に幾度も現れている。
けれど、これらの配置は「不幸の印」ではない。むしろ、それだけ繊細に愛を感じる能力持って生まれてきたことの証なのだ。彼女の生き方は、感情を無視して器用に生きる誰かより、ずっと人間らしい。
遠野なぎこは今も、傷とともに生きている。過食嘔吐を抱えながら、自分を語り、時に泣き、時に怒り、また立ち上がる。占星術の観点から見ても、彼女の魂は「生き抜くこと」「自分の本音に正直であること」に誇りを持っているように見える。愛を出し惜しみしない、勇気ある行動と感情は、時に自分をを苦しめるが、わたしのような人間には、好感さえ持てるわけ。
愛されなかった記憶を、愛を与える力に変えること。
自分を壊してしまいそうなほどの感情を、言葉に、行動に変えていくこと。
その過程こそが、彼女の「癒し」であり、「使命」なのかもしれない。
遠野なぎこという存在は、痛みを隠さずに生きることが、どれほど尊いかを私たちに教えてくれる。彼女のホロスコープは、それを静かに証明している。
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