第一章 太陽と月が蠍座にある政党の宿命
1955年11月15日、自民党が誕生した瞬間、太陽は蠍座22度01分、月は蠍座29度31分にあった。
つまり、この政党は「蠍座の純血」そのものである。
太陽は8ハウス、月は9ハウスにあり、どちらも死と再生、信念と思想を象徴する場所に座している。
権力の継承や再生を繰り返しながら、理念を現実化すること。
それがこの党の宿命的テーマである。
蠍座の太陽は「支配・忠誠・排他・再生」の象徴であり、
そこに土星(23度35分)が重なることで、組織的・階層的な構造を強化する。
支配を守ることが自己目的化する傾向すらあるが、
同時に「危機を乗り越え、蘇る力」も極めて強い。
さらに月も蠍座にあるため、国民感情との繋がりも深く、
支持が一度離れても、情念的な結束によって再び政権を取り戻す。
1993年の下野、2009年の政権交代を経ても再び返り咲く。
この「死んでも蘇る構造」こそ、蠍座8ハウス太陽の象徴そのものである。
第二章 8ハウス太陽・9ハウス月―権力と理念の融合
太陽が8ハウスにあり、月が9ハウスにある。
これは、単に権力を握るだけではなく、思想・理念をもって社会を支配する構造を意味する。
理想主義(9ハウス)と現実主義(8ハウス)が重なり合い、
「理念なき支配」を嫌い、「理念で支配を正当化する」政党として成立する。
8ハウスの太陽は、密室的・背後的権力を示す。
つまり、表の政治だけでなく、裏の人脈・資金・派閥構造が生命線になる。
土星と合であるため、組織防衛・権威保持・規律重視が特徴。
派閥政治の原型はこの太陽土星コンジャンクションそのものである。
一方、9ハウスの月は「理念・思想・信仰」。
蠍座の月は情念深く、単なる理論ではなく「信念」によって動く。
それは“国体の維持”という名の精神的支柱をもたらし、
自民党が単なる政党ではなく国家装置そのものとして機能してきた理由を物語る。
第三章 水星蠍座と金星射手座―言葉と価値観の二重構造
水星は蠍座10度52分で8ハウス。
これは「秘密を扱う知性」そのもの。
情報統制、裏取引、官僚機構との連携。
いわば知の水面下で支配する構造を象徴する。
政策議論よりも「情報戦」で勝ち抜くタイプであり、
この水星は自民党の官僚主導政治の典型的象徴である。
一方、金星は射手座11度20分で9ハウス。
この金星は「理念・理想への愛着」「正義感」「国際主義的価値観」を示す。
蠍座の秘密主義と射手座の理想主義。
この二つの間には常に葛藤がある。
ゆえに自民党は、保守を名乗りながらも改革を掲げ、
開かれた理想を語りながらも、結局は閉じた権力構造に戻るという矛盾を抱えている。
第四章 火星天秤座・木星獅子座―外交と名誉の追求
火星は天秤座21度09分で7ハウスにあり、対外関係・外交戦略における行動力を示す。
しかし天秤座の火星は調和を重んじるため、戦略は慎重かつ計算高い。
衝突よりも調整、支配よりも協調を通じて影響力を拡大していく。
木星は獅子座29度48分で7ハウス。
ここは「権威・名誉・王権の承認」。
日本の象徴である天皇制を支え、国家としての威信を守る使命を持つ。
獅子座木星は「王の守護星」。
ゆえに、この政党は単なる政治集団ではなく、国家と権威の代弁者という役割を背負っている。
第五章 魚座ASCと射手座MC―理想主義という仮面
アセンダントは魚座。
このサインは「共感」「理想」「柔軟性」を示し、表向きの姿は穏やかで寛容。
しかしその支配星(ルーラー)は木星であり、実際の動機は「拡大と支配」である。
つまり、表は慈愛、内実は拡張。
庶民の党を装いながら、実際は体制維持を狙う二重構造。
ミディアムコエリ(MC)は射手座。
理想主義的ビジョン、教育・宗教・国際関係への関心が高く、
国家理念や憲法問題を「信条」として扱う傾向を示す。
このMCの支配星も木星。
ASCもMCも木星が支配するということは、
自民党という政党が拡大・維持・保守と同時に改革を併せ持つ二重構造を持つことの証明である。
第六章 セカンダリープログレッションで読む再生の兆候
現在のセカンダリープログレッション(1日=1年法)において、
自由民主党の進行太陽*♒水瓶座にあり、進行月は♊双子座中盤を運行している。
これは「風の二重構造」を形成しており、
重厚な蠍座資質(固定的・排他的・血縁的支配)から、
情報・理念・ネットワーク型政治への脱皮を象徴している。
水瓶座の進行太陽は「刷新・改革・システムの平等化」を意味する。
これは組織の個人化やリーダーシップの分散を促し、
権力を握る少数派よりも、全体の透明性を高める方向へと導く。
一方、双子座の進行月は、
国民心理の側が「対話」「多様性」「情報」を求めていることを示している。
これまでのように閉じた派閥の裏工作や密室会談ではなく、
SNSやメディアを通じて誰もが関与できる政治を象徴している。
つまり、太陽(国家権力)と月(民意)の両方が風のサインにある今、
蠍座ステリウムで築かれた「血縁的支配構造」が崩れ、
情報を共有し、理念を発信する風の政党への転換が進んでいる。
この風の時代の進行図では、
従来の「忠誠と排他の政治」では生き残れない。
代わって、コミュニケーション・開示・連携という言葉がキーワードになる。
つまり、総裁として求められるのは、
「秘密を守る者」ではなく「風を通す者」である。
P月が♃木星/ASC=月=♇/AC=☉/♀という組み合わせを形成している現時点、
共感(月)と拡大(木星)、再生(冥王星)、そして愛(金星)が一体化しており、
これまでの「守る政治」から「広げる政治」へ。
その中心には、民意を柔らかく受け止める女性的リーダーシップが象徴されている。
結章 蠍座の政党が迎える脱皮の時
太陽も月も蠍座。
支配の中で成長し、危機の中で生き延びる宿命。
しかし、ASC魚座・MC射手座の木星ルーラーが呼び込む風は、
権力の硬直化を柔らかく解いていく。
蠍座的支配の終焉は、共感と理想による再生へと続く。
そしてそれを体現する存在――
すなわち「女性総裁」「共感型リーダー」こそ、
この資源図が未来に託したメッセージである。