数字嫌いでもホロスコープは読める ― 度数とアスペクトを克服するコツ

ホロスコープの学びにおいて、最初に立ちはだかる大きな壁があります。
それは「数字」。

本を読むこと、文章を書くことは得意でも、数字の羅列を前にすると頭が混乱してしまう。そういう方は決して少なくありません。むしろ、占星術を志す人の中には文系気質の人が多く、数学的な概念に苦手意識を抱く人は珍しくないのです。

わたし自身も、最初は数字が大の苦手でした。度数が読めない。アスペクトの計算でつまづく。何度も心が折れそうになり、挫折を繰り返しました。しかし、続けていくうちに分かったのです。これは「慣れ」だと。

度数の壁

占星術における度数は、黄道360度を12のサインに分けて成り立っています。
1サインは30度。その単純な事実を理解するだけで、一気に頭の整理が進みます。

  • 牡羊座0度がスタート地点

  • 90度進めば蟹座0度

  • 180度進めば天秤座0度

  • 270度進めば山羊座0度

シンプルに考えること。これが何よりも大切です。

例えば、360度から270度を引けば90度になる。つまり、山羊座0度と蟹座0度は正対する関係(オポジション)になる。この発想ができれば、度数の概念はもう怖くありません。

クインカンクスもシンプルに

少し進んでクインカンクス(150度)の理解に入るときも同じです。
牡羊座0度から数えれば、150度先は乙女座0度。逆に、360度から150度を引けば210度。それは蠍座0度。つまり、牡羊座0度と蠍座0度もクインカンクス関係になるのです。

こうした度数の計算は、最初は難しく感じるかもしれません。でも、一度手で書き出し、声に出して数えるだけで、だんだんと身体に染み込んでいきます。まさに「慣れ」です。

絶対経度を叩き込む

度数の理解を深めるうえで、最も大切なのが「絶対経度」の感覚を持つことです。
絶対経度とは、各サインを度数で換算していく方法。例えば「牡羊座10度」は絶対経度で10度。「牡牛座5度」は、牡羊座30度に5度を加えるから35度。「蟹座0度」は90度。こうして、黄道全体を360度の数字で置き換えていくのです。

慣れてしまえば、むしろこちらのほうが分かりやすい。サインに惑わされることなく、数字だけで角度を理解できるからです。

「軸」が見えてくる

度数の感覚を持てるようになると、ホロスコープ全体がシンプルに見えるようになります。
例えば、牡羊座0度から天秤座0度へ走る180度の軸。蟹座0度から山羊座0度へ走る軸。これらは黄道を東西南北に区切る大きな十字架のようなもの。ここに天体が乗ると、とても大きな影響を持ちます。

また、アスペクトを考えるときにも、この軸の感覚が役立ちます。月相のサイクルを学ぶときも同じです。新月、上弦、満月、下弦。いずれも90度ずつの分割で説明できるからです。

度数が見えるようになることで、ただの「記号だらけの図」だったホロスコープが、一気に立体感を帯び、動き出すのです。

アスペクトは「数字の理解」

アスペクトというのは、天体同士の角度によって成り立つ関係です。
0度(コンジャンクション)、60度(セクスタイル)、90度(スクエア)、120度(トライン)、180度(オポジション)。これが基本の五大アスペクトです。

これを理解するのに必要なのは、やはり数字の感覚。例えば「太陽が牡羊座15度、月が蟹座14度にある」としたら、その差は約89度。ほぼスクエア。数字の差を理解するだけでアスペクトが見えてきます。

難しく考える必要はありません。差を出す。360度で補正する。シンプルな数字の操作です。

慣れれば楽しくなる

わたし自身、数字が大の苦手でした。だから最初は「これは無理だ」と何度も投げ出しました。それでも続けていくうちに分かったのです。結局は「慣れ」なのだと。

数字の感覚を身につけることで、ホロスコープはまったく違った景色を見せてくれるようになります。最初は数字に翻弄されるかもしれません。でも、慣れたら逆に「数字が分かることが楽しい」と思える瞬間がやってくるのです。

おばちゃん占い師でもできたのだから

わたしは声を大にして言いたいのです。おばちゃん占い師でもできたのだから、誰にだってできる、と。

数字が苦手だから、数学が嫌いだからといって諦める必要はありません。占星術は文系的な直感と、理系的な数字の両方を必要とする学問です。でも、度数の理解は「数式の問題」ではなく「慣れ」の問題。

だからこそ、恐れる必要はありません。シンプルに、繰り返し、叩き込む。
「シンプルが一番」。この言葉を胸に刻めば、必ず乗り越えられます。


結びに

ホロスコープは数字だらけ。でも、その数字に慣れたとき、図は鮮やかに意味を語り出します。
度数を理解し、絶対経度を叩き込み、軸を意識する。そうすれば、アスペクトの世界が開けてきます。

数字が苦手だからと怖がらなくても大丈夫。むしろ、苦手だからこそ、理解したときの感動は大きいのです。

ホロスコープを読み解く道は、数字を克服したその先に、無限の可能性として広がっています。

 

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