西洋占星術を学んでいくと、誰もがまず注目するのはメジャーアスペクトと呼ばれる0度・60度・90度・120度・180度です。これらは理解しやすく、解釈が明確で、教科書にも頻繁に登場します。
しかし、占星術の奥行きはそれだけにとどまりません。見落とされがちな「マイナーアスペクト」こそが、人生の深い部分を揺さぶることがあります。その中でも135度 ― セスキーコードレイトは特に重要なアスペクトのひとつです。
135度というアスペクトの特性
セスキーコードレイトは、90度(スクエア)と45度(セミスクエア)を組み合わせたアスペクト。
単純に言えば「直角にトゲが付いた」ような構造で、二重の緊張がかかります。
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スクエアは「大きな葛藤」「タイミングのずれ」。
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セミスクエアは「小さなトゲ」「日常的な違和感」。
この両方を同時に抱える135度は、個人にとっては非常にハードな影響をもたらすことがあります。生き方が思うように進まない、理想と現実がかみ合わない、日常の小さな違和感が積み重なり、大きな壁のように感じられる。その象徴がセスキーコードレイトです。
マクロとミクロの視点
ただし、ここで大切なのは「視点の違い」です。
ミクロ ― 個人のレベルでは、135度は苦しく、しんどく感じられます。努力しても報われない、壁に阻まれるような感覚をもたらすのです。
しかし、マクロ ― 宇宙の視点から見ると、これは魂にとって必要不可欠な試練です。宇宙がわざわざ無意味な困難を与えるはずはありません。むしろ、地球上で足を踏ん張って生きるために、葛藤や摩擦は欠かせない要素なのです。
つまり135度は「魂を鍛える装置」。困難に見えても、それは成長のために用意された舞台だと捉えることができます。
わたし自身のセスキーコードレイト体験
ここで、わたしの体験を具体的にお話ししましょう。
わたしのチャートには【太陽/木星/海王星】のセスキーコードレイトがあります。
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太陽は「人生の核」「生き方」
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木星は「拡大」「幸運」そして「法的テーマ」
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海王星は「理想」「夢」「境界を越えるもの」
この三つが135度で結ばれているため、36歳くらいまでは、生き方と幸運と理想がどうしても一致しませんでした。蟹座の太陽に合わせようと必死に努力しても、木星的な発展や海王星的な夢がかみ合わず、ドツボにはまるばかり。思うように人生が噛み合わず、苛立ちや焦燥感を抱えていたのです。
太陽/木星135度と法的テーマ
特に太陽と木星のセスキーコードレイトは、わたしの人生に「法的事柄」としてはっきり現れました。
実際に、娘との養子縁組を経験しています。
これは単なる感情や血縁の問題ではなく、法律という制度を通じて親子関係を確立する行為です。つまり、「生き方(太陽)」そのものが「木星=法や規範」と強く結びつき、試される体験をしたのです。
太陽/木星のセスキーコードレイトは、幸運や拡大がスムーズに訪れるわけではなく、むしろ「制度」「規範」「法律」によって壁や手続きを乗り越える形で現れやすいのだと痛感しました。まさに「人生の中で法的なテーマに直面する」という象徴通りの出来事でした。
このとき、わたしは初めて「太陽=生き方」と「木星=法的秩序」を無理に連動させず、それぞれを別個に扱う必要性を理解しました。太陽は太陽として、木星は木星として。それぞれの領域を尊重すると、ようやく全体が機能しはじめるのです。
「無視し合う」ことで活きる
セスキーコードレイトを持つ人へのアドバイスは、ズバリ「無視し合う」ことです。
これは皮肉に聞こえるかもしれませんが、本質を突いた表現です。
太陽と木星のように性質が異なる天体が135度で繋がっているとき、無理に調和させようとすると破綻します。けれども、互いに「別物」として扱うと、驚くほどバランスが取れるのです。
人生において、理想と現実が一致しなくてもいい。幸運と生き方が噛み合わなくてもいい。それぞれ独立した形で現れることを許す。すると、全体として不思議な調和が生まれてきます。
ハーフサムにおける135度の意味
さらに、ハーフサムの技法でも135度は「間接の接触」として重要な意味を持ちます。直接点ではないものの、強力に作用する場合があり、特にライツや主要天体が関わると、人生の転機や法的な出来事に関わりやすい。
マイナーアスペクトだから軽視されがちですが、実際には強烈な影響をもたらす。セスキーコードレイトはまさに「隠れた試練の扉」と言えるでしょう。
まとめ ― 135度は魂の研磨装置
135度のセスキーコードレイトは、スクエアとセミスクエアを重ねた二重の緊張。確かに個人にとっては苦しい体験を与えることが多いですが、それは魂の成長に欠かせない試練です。
わたしの場合、それは太陽/木星/海王星を通じて「法的なテーマ」として現れ、娘との養子縁組という具体的な形を取りました。まさに宇宙が用意した「魂の課題」だったのです。
135度は「無視し合う」ことで活きる。
無理に調和させず、それぞれを独立したものとして扱うことで、逆に全体が安定する。これがセスキーコードレイトを乗り越える最大のコツだと実感しています。
だからこそ、皆さんもご自身のチャートの135度をぜひ探してみてください。そこにはきっと「魂を磨くための課題」と「人生をより豊かにするヒント」が隠されているはずです。